母乳育児格闘記③
一難去ってまた一難。
生後2日目の朝の体重減少と低血糖から、その日の夕方には早期新生児黄疸の診断で夜22時頃から光線療法が開始になりました。
夕方、ミノルタ測定(黄疸の値を皮膚から測定すること)にて高値だったため、採血したところビリルビンの値が高いため光線療法となったのです。
新生児黄疸は決して珍しいことではありません。
むしろどの赤ちゃんも黄疸にはなりますが、それが治療が必要なほどの黄疸かどうかということです。
黄疸とは何なのか?
人の血液は絶えず新しい血液に入れ替わっています。
その古い血液を分解する際に出るのがビリルビンという物質です。
ビリルビンを通常は肝臓で処理しているため私たち健康な大人は通常黄疸にはなりません。
では赤ちゃんはなぜ黄疸になりやすいのか?
その理由は大きく分けて2つ
①赤ちゃんはもともと多血であること。
また赤血球の寿命が大人よりも短いこと。
→つまり、大人に比べて血が多い上にその寿命も短いので、早いスパンで多くのビリルビンが作られます。
②赤ちゃんの肝臓の機能がまだ未熟であること。
→お腹にいる時はビリルビンの処理はへその緒を通してお母さんがやってくれていましたが、外に産まれた瞬間赤ちゃんの肝臓で処理しなければならず、作られた沢山のビリルビンを処理するには赤ちゃんの肝臓はまだ未熟なためビリルビンが分解されずに残ってしまいやすいのです。
入院中の赤ちゃんの皮膚がなんとなく黄色っぽいのはそのせいです。
しかし、我が子の場合、その生理的黄疸を超えて治療が必要な新生児黄疸になりました。
しかも生後2日目早期新生児黄疸。
黄疸は大体生後3日目から4日目に一番強くなってだんだん落ち着いてくるのが一般的です。
助産師として働いていた時も生後3日目や4日目の新生児黄疸の子はよく見ましたが、生後2日目の黄疸はあまり見たことがなかったため、余計にアタフタ不安になりました。
そう。助産師としていくら知識があっても、母親として知識云々ではない気持ちになるのです。
「何でこんなことになっちゃったんだろう…
どうして…何が悪かったんだろう…
もし病気とかだったら…
何度も採血されてかわいそう…
ごめんね…ごめんね…」
そんな思いが頭の中をグルグル。
そして、人知れず涙が流れました。
光線療法を開始した息子
黄疸の原因となるビリルビンは皮膚に現れ、そのため皮膚や白目が黄色くなります。
光線療法とは、光を浴びることによって皮膚に現れたビリルビンの分解を助ける治療です。
ちなみに、息子はビリベッドと言われるタイプの光線療法。
これは通常の赤ちゃん用のベッド(コット)の下から光をあてる方法です。
光線療法にはもう一つ、ユニットと言われるものがあります。
これは赤ちゃんは保育器に入り、保育器の外から光を当てる方法です。
ユニットは1方向だけではなく2方向など光線の量も多くできるため、ビリベッドよりも強力に治療することができます。
息子の場合はとりあえずはビリベッドで大丈夫とのことで、母子同室のまま光線療法を開始しました。
光線療法のポイントはしっかりと光に浴びせること!
つまりなるべくベッドに横にして光に当てさせることで治療効果が出るのです。
しかし、頻回に泣く我が子。
光にしっかり当てて早く黄疸が良くなってほしいと思う一方で、泣き叫ぶ我が子をベッドに寝かせたままにすることも心苦しくて…
低血糖、そして黄疸など息子は何ともなければされる必要もない採血(赤ちゃんの場合は血管が細いので、ヒールカットという方法でかかとに針をさして血液を絞り出す方法で採血をします)を何度もされていると思うと申し訳なくて…
でもそんなことを病院の助産師さんにも話せず、(医療者あるあるでしょうか…分かっている、理解しているふりをして)1人不安に押しつぶされそうな入院生活でした。
そんな不安の中で光線療法を行って24時間後の黄疸検査では何とか基準値をクリアし、無事に光線療法が終了となりました。
ほっと一安心したのも束の間、その後に続く長い長いおっぱいの苦しみが始まったのでした…
次はついにおっぱい編です。